2014-06-24から1日間の記事一覧

医療系翻訳会社

医療・福祉分野で言えば、法人の理事会、病院・施設の管理会・幹部会などが果たすべき機能である。 (2)ミドル・マネジメント 医療・福祉で言えば、各フロアーの師長や主任・リーダーにあたる。組織・事業体全体のミッションやビジョンを具体化するために、…

大学院で何を学ぶか 大学院では、「根拠なき実践・政策」「内省なき実践」「理念(理論)なき技術」の危うさ、恐ろしさを学ぶ一方で、「実践なき哲学」[技術なき理念]の虚しさにも気づくだろう。そして、修士論文執筆を通じて、研究=根拠作りに必要なプロ…

医療・福祉マネジメント研究の研究課題

まず、実践(practice)から、プログラム(program)、政策(policy)まで対象は広い。この中で、欧米諸国に比べ日本で遅れていると思われるのは、プログラムレベルの研究である。 また、他分野で蓄積されてきたマネジメントの法則や手法が、どのような条件の下で…

研究

知識創造のための4つの場 SECIモデルに基づくと、知識創造には、相互作用をする4つの[場]が不可欠であることがわかる。まず、個人と個人の相互作用によって「共同化」がおきる[創発場]である。次に、集団的な相互作用がおきる場で、共通言語・コンセプ…

知識マネジメント

これからは「知識が富を生み出す時代」だと言うので、新しい知識を効率よく生み出すための「知識マネジメント(knowledge management)」という考え方まで登場している。そこでは、知識を分類し、それを生み出す要素やプロセス、場についての概念が提唱されて…

学習スタイルと学習サイクル

根拠に基づく判断をどれほど重視するのかには、その人や組織、分野における学習スタイルの違いや学習サイクルをどの程度意識的に回しているのかが影響している。 D 学習スタイル 学ぶスタイルは、次の4つのアプローチに分けられる。①直感的アプローチでは…

介護保険政策のアウトカム評価

文部科学省の学術フロンティア推進事業として日本福祉大学に設置された「地域ケア研究推進センター]では、介護保険の政策評価に取り組んでいる。データを提供する保険者数が140あまり、要介護者のデータ数で7万人を超えるなど大規模であること、アウトカム…

 臨床経済学的評価の2つの限界

重要性は増しているものの、臨床経済学的な評価や効率の評価だけに頼ることには2つの意味で限界がある。 第1に、医療・福祉には、効率以外にも重要な評価基準がある。医療・福祉にいっさい費用を投入しなくても(自然治癒力や自助努力により)助かる人は助…

臨床経済学の方法論

医療・福祉の経済的側面にかかわる研究のなかで、複数の(検査法や治療法などの)選択肢を比較して、より効率的な方法を見いだそうとする(狭義の)医療経済学的研究は、プログラム評価、臨床経済学などと呼ばれ、他と区別される。この意味で、日本で多く見ら…

経済的評価が重視される時代背景

わが国に国民皆保険制度が確立し、誰もが比較的少額の自己負担で、医療を受けられるようになったのは1961年のことである。それ以降、医療費は大きく伸びたが、高度経済成長の時代には、ほとんど問題にされなかった。国民が生み出しか富の大きさを表すGDP…

病院の人づくり

(2)福祉の場合 福祉においても、介護保険制度や障害者自立支援制度の導入など、光と影の両面を併せもつ社会福祉基礎構造改革が進められてきた。その基本的方向の一つが「幅広い需要に応える多様な主体の参入促進」である。介護保険の在宅(居宅)サービス…

チーム・マネジメントの質を決める4要素

ケアプラン作成などではケアマネジャーやソーシャルワーカーが全体をマネジメントする場合などである。 しかし、まだ各専門職間の境界が明瞭で、仕事の重なりは小さく、境界領域の課題への対応が遅れる危険がある。 (4)統合モデル さらに統合が進んだモデ…

老年医学的総合評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)

これは疾患診断に加え、抑うつや認知症などの精神機能、さらに身体機能、ADLなどの生活機能、社会・環境や経済的側面含む総合的評価を行うものである((Column) p。15)。これらは理学療法士や作業療法上、看護師やソーシャルワーカー、臨床心理士など多く…

もう1つの理由は、ケア・マネジメントの効果は、より困難を抱える事例で実証されたものだからである。他で紹介したように、ケア・マネジメントを行うと施設入所を予防できる(在宅に留まる割合を増やす)効果は、より困難度の高い少数例の担当事例を対象に…

評価研究の限界

社会調査において避けがたい問題として、対象の偏りなどによる測定誤差の可能性がある。特に、前後2時点の横断調査では、対象となる介護者のかなりの部分が入れ替かっているために、見かけ上生じる(不)変化の可能性が考えられる。そこで、本研究では、前…

介護負担感尺度の信頼性

1)なぜ、改善が乏しかったのか 期待される変化が見られなかった理由として、いくつかの可能性が考えられる。 まず、用いた尺度の信頼性や安定性が低い場合や介護保険やケア・マネジメントの効果をとらえるのに不適切なものであった可能性である。しかし、今…

介護負担感・介護継続意志に関連する因子

介護負担感・介護継続意志に関連する因子として、ストレッサー(要介護者の状態像・客観的な介護負担の因子)、介護者の因子、ストレス反応にかかかる因子など、さまざまな因子について検討されている。ほとんどの因子において介護負担感と関連ありとする報告…

否定的感情と肯定的感情(介護継続意志など)

研究が進むにつれ、介護者が体験する心理・感情には、介護負担感など否定的な側面だけではなく肯定的な側面もあることが注目されるようになった。例えば、中谷は介護負担感を構成する12項目(表2参照)の中には、「4.世話の苦労はあっても前向きに考えて…

ケア・マネジメントの各ステップ:査定、追跡、事後評価など

ケア・マネジメントとは、要援護者やその家族がもつ複数の生活課題(ニーズ)と社会資源を結びつけることである。介護サービスが要介護者に適切に提供されるためには、例えば下のようなマネジメントのステップを踏むことが必要であり、この一連の援助過程を…

退院・退所時ケア・マネジメント

もう1つ、退院・退所時のケア・マネジメントを取り上げ、ケア・マネジメントの必要性を考えてみよう。ここまで見てきたように、要支援・要介護者とその家族が抱えるニーズは複雑であり、また多くの原因が絡み合って生じているために、ケアプランも、多様な…

閉じこもりの人的環境・居住環境

いままで述べてきた閉じこもりの原因では、患者や要介護者など本人に原因があったのに対し、本人の外部環境に原因が見いだせる場合がある。環境には、家族や近隣などの人的な環境も、居住環境も含めて考えられる。例えば、閉じこもり状態にある患者を、何と…

閉じこもりの自立支援:回復可能性と代償可能性

閉じこもりの原因として。精神機能で重要なものは、認知症とうつである。 本人が「外出を希望しない」と口にしたからといって、放置してよいことににならない。知的機能が低下していても、適切な援助により、やがて「外出を楽しみに待つ」ように認知症高齢者…

閉じこもり症候群の原因と予防策

閉じこもり予防・支援は、介護保険制度の見直しに伴って重視されるようになった介護予防の重点の一つである。また在宅生活のQOLの視点からも重要である。 QOLを測る1つのものさしは、生活圏の広さである。同じ重度要介護であっても、ベッド上で天井だ…

自己選択など個人因子に依存するQOL

Medicine (EBM)実践の努力の一方で、個人の語る物語を重視するNarrativeBased Medicine (NB以)にも光があてられはじめている。個人の生活を尊重するヶアの領域ではとりわけ、個別性・臨床知が重要であることの表われと思われる。 訓練によって機能障害や…

「アート」「臨床知」とは

「アート」「臨床知」とは「臨床家の知恵」である。知は、二種類に分けることができるo(アリストテレスはもっと細かく5つに分けている)1つは、言語だけでも(かなり)伝達できる「知識」)が、言語化しても伝達することが難しいもので、「知恵」とか「こ…

(Column)無作為化対照比較試験(RCT)

もっとも質の高いエビデンス(根拠)が得られる研究デザインのことである。ある鎮痛剤を飲んだ後に、痛みが治まったからと言って、それが効果を意味するとは限らない。たまたま痛みが治まる時期に効果のない物質を飲んだ可能性があるからである。より科学的…

2型糖尿病の子どもが急増

糖尿病は「アジア人の病気」の代名詞になるのは時間の問題 、隆二(仮名)くんは小太りの小学6年生。足にできた発疹がなかなか治らないので、近所の病院を訪問した。そこで一連の血液検査を行つたところ、長い問、中年の糖尿病として知られてきた2型と診断され…

糖尿病の恐怖

子どもは1型、中年は2型という糖尿病の常識も崩れつつある 、糖尿病とはどんな病気なのか。車がガソリンで走るように、人体の エネルギー添まグルコース(ブドウ糖)である。これが血液に溶けて全身を回り、細胞に利用されることで、私たちは元気に活動でき…

日本人の肥満が「危ない」

スリムな日本人は太ったアメリカ人より糖尿病になりやすい大国アメリカと異なり、わが国には病的な肥満者はほとんどいない。 それなら、日本人はアメリカ人ほど糖尿病にかからないはずである。しかし、あまり太っていない日本人と太っているアメリカ人の糖尿…

肥満マウスのレプチンレセプター遺伝子(糖尿病遺伝子)にポイント・ミューテーション(点突然変異)

研究者の目は、レプチンからレプチンを受けとるキャッチャーに相当するレセプター(受容体)というタンパク質に移った。 その研究者の代表が、ミレニアム製薬のルイス・タタグリアだ。彼は、肥満遺伝子は正常にはたらいてレプチンをつくるが、別の遺伝的な理由…