2014-06-26から1日間の記事一覧

後天性魚鱗癰ichthyosis acquisita

ほば尋常性魚鱗癬と同様であるが関節屈面も侵す.背景に悪性腫瘍〔悪性リンパ腫とくにホジキン病・白血病・乳癌・肺癌・子宮癌・膵癌・胃癌・卵巣癌など〕,代謝異常〔甲状腺機能低下・ビタミンA欠乏・脂肪代謝不全〕・吸収不全症候群・鉄欠乏性貧血・トリ…

疣贅状肢端角化症、家族性良性慢性天疱瘡、汗孔角化症

14.疣贅状肢端角化症acrokeratosis verruciformis [Hopf 1930] 〔症状〕手足背に多発する,正常皮膚色~淡褐紅色,粟粒~米粒大の扁平隆起性丘疹で,青年ME扁平疣贅に似る.しばしばダリエー病と合併して発し,むしろその1不全型(formes frustes)または1…

日本人が金髪・青い眼の子供を産めない理由

一セットのヒトゲノム(二三本の染色体)を積んだ精子と卵子がめでたく受精すると、ゲノムはもとのニセットにもどり、受精卵は分割を開始して、やがて人間へと成長していく。 ところで、ニセットあるゲノムのうち、実際に形質として現れるのは精子に積まれて…

ヒトは誰でも劣性遺伝病の原因遺伝子をもっている:近親婚のリスク

近親婚で問題となるのは、遺伝病である。遺伝病とは、遺伝子の変異によってもたらされ、その変異遺伝子が親から子へ伝わることによって遺伝する病気である。 遺伝病の多くは一つの遺伝子の変異によって起こる単一遺伝子病である。しかも、死に至るような重篤…

マラリア感染に抵抗する劣性遺伝子

感染症をもたらす病原菌に対して、人間は「薬」で対抗してきた。それは薬草であったり、また近年では化学合成物質であったりする。五〇〇万年のヒトの歴史で、つねにヒトを攻撃して飽きることのないマラリアとの戦いで、いったいどれほどの人間が敗れ死んで…

エイズに挑む人間:SDF・1(細胞間情報伝達物質)が発症を遅らせる

1980年、WHO(世界保健機関)は天然痘ウイルスの根絶を宣言した。人類が病原体ウイルスを地上から駆逐することができた最初の(そしておそらく最後の)勝利で、誇らしげなWHOの発表に人々は医学ひいては科学の進歩を頼もしく感じていた。しかしその翌…

性同一性障害の原因:性別を決める遺伝子:sry、mls

性同一性障害がなぜ起こるのか。さまざまな説が提唱されているものの、どれも確固とした支持を得ているわけではない。ただしそのなかでも、受精卵から胎児になるまでの発生過程での“ホルモンシャワー”に関係しているという説が有力である。ホルモンシャワー…

文献翻訳の業績をめぐる学術界の矛盾

私は日本の英語教育は明治初期の目的が達成されるにつれて、だんだんと虚学としての教養主義と、明確な目的をもたない実用会話に二極分解し、しかもどちらもうまくいっていないことを指摘しました。その上、教育のすべての段階において、授業がパラパラで一…

類乾癬〔parapsoriasis〕:滴状類、斑状[局面性]、大斑型

A,滴状類乾癬p. guttata (p. en gouttes)〔Juliusberg 1899] 1〕慢性型:5~10mm大の境界明瞭な隆起性紅斑→白色鱗屑を被むる丘疹~小結節→色素沈着・脱失を残して消失.つぎつぎと新生して新旧の皮疹が混在する.顔面・手掌足底を除きほぼ全身に汎発.…

皮膚筋炎の症状:内臓悪性腫瘍の合併、免疫抑制剤〔メソトレキセート・アザチオプリン・ミクロフォスファミド・シクロスポリン〕

皮膚筋炎dermatomyositis 〔Unverricht 1891〕 〔症状〕 1)前駆症状:全身倦怠感・頭痛・関節痛・軽度発熱。 2)皮膚症状:顔面・四肢〔とくに肘頭・膝蓋〕・体幹に、対側性に浮腫性紅斑を生じ、次いで落屑性乾燥性浸潤性紅斑[淡紅色~暗紅色]となる。眼…

亜急性皮膚型および深在性エリテマトーデス:結節性皮膚ループスムチン症

亜急性皮膚型エリテマトーデスsubacute cutaneous lupus erythemato-sus〔Sontheimerl979〕〔SCLE〕 〔症状〕日光裸露部[顔・頚・上肢伸側・上背・肩]に対側性に多発性に生じ、再発性であるが瘢痕は残さない。落屑性紅色丘疹として始まり、拡大して乾癬様…

シェーグレン症候群の各症状

シェーグレン症候群 Sjogren syndrome [1933]〔SjS〕 〔症状〕 30~50歳の女子に多い[90%]。 1)皮膚症状:①皮膚乾燥〔痰痒を伴い、魚鱗癬様ともなる〕、②毛細血管拡張、③脱毛、④色素沈着/脱失、⑤紫斑〔高カンマグロブリン血性紫斑で下肢に再発哇点状…

リウマチ熱の皮膚症状:播種性好酸球性膠原病

リウマチ熱rheumatic fever の皮膚症状 ①輪状紅斑erythema marginatum : 小紅斑・小丘疹→急速に遠心性拡大、一過性かつ再発性、組織はleukocytoclastic vasculitis、 ②リウマチ結節rheumatic nodule : 骨突出部・関節部の骨表面・腱鞘等に多発する小結節で皮…

アメリカで脳死状態になった場合

アメリカでは、脳死状態になったときに、医師は家族に対してインフォームドーコンセントを行なう。その折りに三つの方法が示される。第一点が、このまま脳死状態をつづけて延命を図るか、つまり心臓死まで待つかという案。この場合の医療費は自己負担となる…

脳死を認めない日本

先進諸国で脳死を公式に認めず、それゆえに臓器移植が行なわれていないのは、日本とイスラエルだけである。イスラエルは宗教上の障壁があり、国民的合意を得るまでには至っていない。だが日本のように宗教的な制約があるわけでなく、医学知識や医療水準もそ…

脳死と植物人間状態の違い

脳死と植物人間状態とは基本的には異なっている。脳死には大脳も脳幹も、つまり脳の、すべてが死んで、それがやがて心臓死に至るという意味が含まれる。ところが植物人間は、大脳は死んだが、脳幹は生きている状態の人間である。植物と同じように成長や発生…

老人医療の呆れた現実:悪徳医師の金稼ぎ

高齢化社会がより一段と進めば、私はこの社会に適応して歪んだモラルが生まれるような気がしてならない。現在とは異なった倫理や思想が育まれ、そのことが特別に奇異に思われないという事態にもなろう。 なぜそのようなことをいうかといえば、高齢化社会の第…

「看護行為」の構成内容と学習の過程

学習のまとまりに関する意思決定をするには、看護の内容と、実際に行う看護行為に関する学習内容の構造をさらに確認しておく必要がある。必要な教授・学習内容のすべてを同時に学ぶことは不可能なので、教育内容をどのようにまとめると効果的に学習が進み、…

技術に関する単元の場合一基礎的内容の学習段階

「看護技術」に関する単元においても、その単元において期待する学習範囲を明確にしておかなければならない。さらに、看護技術は認知領域・情意領域を含んで存在するものであることを忘れてはならない。 学習内容を具体化し、教授・学習目標を設定するには、次…

外傷後精神病

重度の頭部外傷のあと精神病が起こることは、一八七〇年の仏露戦争での兵士の研究以来知られています。しかし、どのくらいの頻度でどういった頭部外傷が精神病を起こすのかは、依然としてたいへんな論争となっています。外傷後の精神病は、二四時間以上の昏…

なぜ統合失調症の人は若死にするのか

統合失調症者は非統合失調症者よりも平均寿命が短いことが知られています。一九八九~一九九一年の間に、統合失調症の死亡率を見積もった三つの研究が報告されています。それによると、その全死亡率は「全人口死亡率の約二倍」、「全死亡率で約三倍の増加」…

アルコールは心臓をダメにする

「酒は心臓病のリスクを減らす」といわれています。実際、国立がんセンターが飲酒量と虚血性心疾患などの循環器疾患発症の関連性を調べたものがあり、これによると、飲酒を全くしない人の相対リスクを1とすると、飲酒量が多い人ほど虚血性心疾患を発症するリ…

Olysio(simeprevir):慢性C型肝炎ウイルス感染症の新薬

Olysio(simeprevir)が慢性C型肝炎ウイルス感染症( chronic hepatitis C virus infection)の治療薬としてFDA承認されました。 Olysioは、C型肝炎ウイルスの複製に必要な特定のタンパク質を阻害するプロテアーゼ阻害薬(protease inhibitor )であり、抗ウイルス…

IBS(過敏性腸症候群)とは

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome ; IBS)とは、癌や潰瘍、炎症といった器質的な病気(組織や細胞に何らかの異常がある状態)がないにもかかわらず、便通異常(下痢、便秘)や腹部の不快感(腹痛、膨満感、ガス、残便感など)が慢性的に繰り返される病気で…

子供の夜尿症:診断と治療

夜間睡眠中の不随意に起こる尿の漏れを夜尿という。下垂体ホルモンの日内変動が確立し、排尿抑制中枢のコントロールが可能になった以降の夜尿を病的と判断し、夜尿症(nocturnal enuresis)という。5~6歳以降に毎晩夜尿が出現するのは2~3%となり、一般的…

不登校の治療手順と心理療法

不登校(non-attendance at school)は、 1941 (昭和16)年に米国のJohnson A。 M。が、大きな情緒不安のために登校できないでいる一群の子供たちを、従来からの『非行による怠学』とは異なる『学校恐怖症(school phobia) 」として報告したのが始まりである。…

拒食症患者の看護ポイント

○重症度により治療法は色々あるので、主治医の治療計画を把握することが大切である。カンファレンスを適宜行い、意思統一をはかって看護師間でも対応のばらつきがないようにする。病気のステージや治療法によっては、多くの人が関与しない方がよい場合がある…

自閉症児の看護ポイント

O障害の意味と、自閉症の特性と文化、構造化、ノーマライゼーションなどの充分な理解をしていることが第一条件である。 O[自閉症は親のかかわり方が問題]という意識をもつ親や医療関係者が少なくない。両親のかかわり方だけの問題ではなく、発達障害であ…

院内感染の経路:小児患者への感染予防策

院内感染とは、病院内で患者・医療従事者に感染症が伝播することをいう。 近年のMRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、 VISA (バンコマイシン中等度耐性黄色ブドウ球菌)、多剤耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、 VRE (バンコマイシン耐性腸球菌)、 PISP (…

小児結核:粟粒結核や結核性髄膜炎

抗酸菌であるヒト型結核菌による感染症で、空気感染する。 成人型結核は、初感染型から既感染後数年以上経って再活動化して発生するものまであるが、小児の結核は初感染型であり、感染から数ヶ月で発症する。家族内感染がほとんどであり、まず肺実質に感染巣…