日本人の肥満が「危ない」

 

スリムな日本人は太ったアメリカ人より糖尿病になりやすい
大国アメリカと異なり、わが国には病的な肥満者はほとんどいない。

 それなら、日本人はアメリカ人ほど糖尿病にかからないはずである。しかし、あまり太っていない日本人と太っているアメリカ人の糖尿病の発生率はほば同じなのだ。
 そうなると、日本人はアメリカ人よりも糖尿病になりやすい体質なのか。また、わが国をはじめ、アジア諸国で糖尿病が爆発的に広まっている。

 糖尿病はタンパク質と脂肪の多い食物を摂る欧米人に多い病気だったはずだ。それが、穀物や野菜を多く摂取するとされてきたアジア大に増えているのはどうしたことか。しかも、尿病はかつて成人病(生活習慣病に改められた)と呼ばれ、中高年の病気の代名詞だったが、今ではアジアの中年層ばかりか、子どもまでが発症している。そこで、アジア大に発生している肥満と糖尿病の嵐を検証していこう。

 肥満が直接の引き金になる病気が、糖尿病である。 2000年、アメリカには約1700万人(人口比6.0%)の糖尿病患者がいるが、そのうち100万人(患者の65%)は診断と治療を受けている。しかし、残りの590万人(患者の35%)は放置されたままだ。国か国ではどうか。 1997年秋の旧厚生省の調査で、わが国の糖尿病患者は約690万人、その予備軍はほば同数の680万人もいることがわかっている。すなわち、糖尿病に苦しんでいる日本人の合計は1370万人にもなる。実に国民の5.8%が糖尿病患者であり、その予備軍を含めると11%という高率である。

    糖尿病はわが国の国民病というはかない。しかも、スuムな日本人が、太つたアメリカ大と同じか、あるいはそ肥満と糖尿病が人類を襲う

 

注:日本の糖尿病患者数は1997年秋の旧厚生省の調査による糖尿病はかつて成人病(現・生活習慣病)と呼ばれ、中高年の病気の代名詞だったが。今ではアジアの中年ばかりか子どもにまで広がっている。その引き金となるのが肥満だ