ケア・マネジメントの各ステップ:査定、追跡、事後評価など

 

 ケア・マネジメントとは、要援護者やその家族がもつ複数の生活課題(ニーズ)と社会資源を結びつけることである。介護サービスが要介護者に適切に提供されるためには、例えば下のようなマネジメントのステップを踏むことが必要であり、この一連の援助過程をケア・マネジメント(サイクルまたはプロセス)と呼ぶ。

1.アセスメント(査定)

 要介護者やその環境要因(介護者・住環境など)の状態、希望などを把握する。各種専門職団体などが、それぞれの特徴を持つアセスメント方式を提唱している。全国一律の訪問調査項目・主治医意見書と異なり、どの方式を(独自の方式でも)用いても良い。

2.プランニング(計画策定)

 アセスメントの結果に基づき、必要なサービスを組み合わせ、週間スケジュールの形のプランに具体化しなければならない。通常、数か月単位の期間こ限定して、フランを作成する。

3.ケア・コーディネーション(連絡・調整)

 プランが実施可能となるためには、実際にサービスを提供する機関の側の(曜日や時問帯など)受け入れ一提供体制が取れることの確認が必要となる。提供機関が複数ある地域であれば、その中から選択しなければならない。関係機関に照会・調整・確認などをすることをケア・コーディネーションと呼ぶことがある。

4.インターペンション(サービスの提供・介入)

 プランに沿って、実際にサービスが提供される段階である。サービスには、全国共通の施設サービスと在宅サービス、自治体ごとに異なるものとがある。

5.モニタリング(追跡)

 数か月の間には、要介護者の状態が変わったり、サービス内容が気に入らないなど、さまざまな変更が必要となる場面がある。このような事態を早期に発見し、提供されるサービスの質を監視することをモニタリングと呼ぶ。

6.エヴァリュエーション(事後評価)

 当初のケアプランの期間が終了する時点で、上記の一連の流れを振り返り、サービスを継続するのか終了するのかなど評価が必要である。継続するのであれば、改めて要介護者の状態を評価し、新たなマネジメント・サイクルに入ることになる。