介護負担感・介護継続意志に関連する因子

 

 介護負担感・介護継続意志に関連する因子として、ストレッサー(要介護者の状態像・客観的な介護負担の因子)、介護者の因子、ストレス反応にかかかる因子など、さまざまな因子について検討されている。ほとんどの因子において介護負担感と関連ありとする報告と関連なしとする両方の報告がある。その理由は、用いられた介護負担感尺度の違い、要介護者が認知症か否かなど疾患の違い、要介護期間の長さ、対象者の年齢、続柄、さらに日米欧での差などさまざまなものが推定できる。ここでは、検討されている主なものを、要介護者の因子、介護者の因子に分けて紹介する。

1)ストレッサー(要介護者の状態像・客観的な介護負担の因子)

 介護負担感に関連することが報告されているものとして、要介護者の身体状況・症状、問題行動・構神症状などの要介護者の状態像にかかわる因子と、介護時間、介護期間などの客観的な介護負担にかかわる因子とがある。脳卒中患者の場合、発症後早い時期では、患者のADL自立度との関連がみられるものの、長期化するとその上うな関連は消失するという報告もある。一方、介護継続意志には、要介護者からの感謝とともに要介護者の健康状態の改善が関連していたと報告されており、介入方法を考えるうえで興味深い。


 ヅイタリアーJ (Vitaliano)らは、40論文の文献レビューに基づき、介護負担感の疾患特異性や続柄による違い、客観的環境要因とその認知とを区別すべきことなどを述べている。

2)介護者の因子

 介護者の基本属性にかかわるものとして、介護者の年齢、要介護者との続柄が検討されており、就業状況では就労しているほど介護負担感は低いという報告があ公。介護継続意志が高い群では、続柄が配偶者や実子が多く、社会サービスの利用意向が高いことなどが関連していたという。
 外的資源にかかわるものでは、家族・親族の接触度、何かあったときに頼れるサポートの有無、副介護者の有無、福祉サービスに対する満足感などが検討されている。

 内的資源にかかわるものでは、主観的健康観、将来のケアヘの不安、社会参加の制限への不満足感、孤独ストレス対処能力などがある。安田は、介護者のコーピングのいくつかあるタイプのうち、「できる範囲で無理をしないよう