マリファナ使用は学力低下と統合失調症に関連


マリファナ使用は多くの健康状況に関連しています。しかし、マリファナの過剰使用は記憶力低下と脳機能の異常な変化をもたらし、統合失調症(schizophrenic)と同様の症状をもたらすことがわかりました。

この試験結果に関する論文は医学雑誌『Schizophrenia Bulletin』に掲載されています。

National Institutes of Healthに属するNational Institute on Drug Abuse(国立薬物乱用研究所)によれば、マリファナは米国で使用されている最も一般的な違法薬物(illicit drug)であり、その使用者は若い世代が大半を占めています。

マリファナは数多くの短期および長期効果をもたらしますが、主に心機能と精神状態に影響を及ぼします。

イリノイ州Feinburg School of Medicine at Northwestern UniversityのMatthew Smith率いる医学チームは、20代前半のマリファナ常用者を対象に脳変化の分析試験を実施しました。

被験者の全員が16または17歳の頃にマリファナを使用し始め、それから約3年間毎日吸ってきた人たちですが、試験開始前の2年間は薬物を使用していません。また、彼らは他の薬物中毒を経験したこともありません。

16歳または17歳でマリファナを常用し始めた者では、学習や記憶、コミュニケーションで重要となる部位である視床( thalamus of the brain )の機能が低下していることが、試験結果により明らかになりました。

また、脳の異常な変化は作業記憶(working memory)にも関連していることがわかりました。作業記憶力の低下は、学力の低下を引き起こします。

さらに、同試験で確認された視床部位の障害は、マリファナを吸ったことのある統合失調症患者でも確認できます。

統合失調症マリファナ使用者のうち90%は、認知障害を引き起こす前にマリファナを過剰に吸っています。

「この試験結果は、マリファナがその使用を止めた後でも、長期にわたり脳に影響を及ぼすことを示しているが、マリファナの効果を十分に理解するためにはさらなる研究を行う必要がある」とNorthwestern大学のMatthew Smith は述べています。