エンバーミング(embalming=遺体衛生保存)とは


エンバーミング(embalming=遺体衛生保存)とは遺体に殺菌、消毒、修復処置を行い、長期保存する方法です。balmはミイラを防腐保存するときに使う香料であることからもわかる通り、エンバーミングの歴史は古代エジプトにさかのぼります。1960年代アメリカの南北戦争当時、遺体の帰郷に長時間かかったことからエンバーミングが盛んになり、その後、欧米で広くエンバーミングが行われるようになりました。

遺体は血液から腐敗が始まるので、血液を抜き、エンバーミング溶液(ホルマリンと赤い色素を混合した防腐液)を注入します。その際、首か足のつけねの皮膚を切開し、太い動脈と静脈に管をつなぎます。動脈からエンバーミング溶液を注入し静脈から血液を抜き取る間、血液廃液促すため体をマッサージします。ある医学グループは必然的にエンバーミングと同様の方法で血管内に造影剤を注入して死後血管造影を行いましたが、この方法は日本では採用しにくいです。

ある救命救急医は、来院自身お会い停止状態患者の死亡確認後に点滴ルートから造影剤を注入し、胸骨圧迫を2分間追加して撮影する簡便な方法で、死後でも寝台血管が造営されることを報告しました。これにより、それまで検出できなかった冠動脈血栓や肺動脈血栓閉塞が描出できるため、死後確定率の上昇が期待できます。