メルクとグラクソの連携:抗PD-1抗体『MK-3475』とキナーゼ阻害薬『パゾパニブ』の併用投与(腎細胞がん治療)臨床試験


米国とカナダ以外でMSDとして知られるメルクは本日、進行性腎細胞がん(renal cell carcinoma)に対する、同社開発の抗PD-1抗体薬『MK-3475』と、グラクソスミスクラインの経口剤であるキナーゼ阻害薬『パゾパニブ(pazopanib)』の併用投与を評価するための臨床試験を開始したと発表しました。

このような連携はメルク社にとって、がん治療におけるMK-3475の有用性を評価するための一般的な戦略です。我々はさまざまな腫瘍タイプを対象に他の制癌剤との併用でMK-3475を調査するため、さらに連携を深めていくことを望んでいます」と、メルク研究開発部Licensing and External Scientific Affairsの Iain Dukesは話します。

メルクとグラクソスミスクラインは、パゾパニブやグラクソ社製のほかの薬剤との併用におけるMK-3475の有効性を評価するための共同試験を開始しました。このフェーズⅠ/Ⅱ臨床試験では、進行性腎細胞がんのナイーブ患者(naive patient)を対象にMK-3475とパゾパニブの併用投与の安全性と有効性を評価します。今回のコラボレーションに関する詳細は公表されていません。

MK-3475について

多くの腫瘍は、PD-1阻害チェックポイント・タンパク質( PD-1 inhibitory checkpoint protein)の作用メカニズムを利用して免疫システムを回避することができます。 MK-3475 は、PD-1タンパク質の二つのリガンド(PD-L1 と PD-L2)を選択的に阻害して標的がん細胞を認識する免疫システムの自然能を回復させるための、高度選択的( highly selective )抗PD-1抗体です。MK-3475がPD-1を阻害すると、がんを標的とする免疫システムのT細胞が活性化します。

MK-3475はさまざまな癌タイプ(メラノーマ、非小細胞肺、腎細胞がんなど)を呈する患者400名を対象とした10件の臨床試験で調査されています。