Anoro Ellipta(気道閉塞の治療薬)にFDA承認:umeclidiniumとvilanterolの混合薬(グラクソ・スミスクライン製造)


FDAは本日、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)患者の気道閉塞(airflow obstruction )の長期維持療法( maintenance treatment )に用いる、1日1回投与の Anoro Ellipta (umeclidinium と vilanterol の吸入パウダー[inhalation powder])を承認しました。

Anoro Ellipta は、太い気道( large airways )周囲の筋肉に作用して筋収縮をストップさせる吸入抗コリン( inhaled anticholinergic)「 umeclidinium」と、気道の筋肉を弛緩させて肺への気流を増大させる長期作用型ベータ2-アドレナリン作動薬(long-acting beta2-adrenergic agonist;LABA)「vilanterol」の混合薬です。 Anoro Ellipta の安全性と有効性は、COPDの診断を受けた2,400名以上の患者を対象に評価されました。治療群ではプラセボ群と比較して肺機能が向上しました。

「Anoro Elliptaは肺の気道(airways of the lungs )周囲の筋肉弛緩を促進させて、空気の流れを増大させます。この新しい長期維持治療の実現により、COPDを抱える数百万人の米国人に新たな治療選択肢を提供できるようになります。」と、Curtis Rosebraugh医師は話します。

同薬剤の警告欄( boxed warning )には、LABAが喘息による死亡リスクを高めるとあります。喘息患者における Anoro Ellipta の有効性と安全性はわかっていないため、喘息治療に用いることはできません。また、突然の呼吸障害(急性気管支けいれん[acute bronchospasm])の救急治療にも使用できません。

Anoro Ellipta投与により生じるかもしれない重度の副作用は、呼吸気道の狭窄および閉塞(paradoxical bronchospasm;narrowing and obstruction of the respiratory airway)と、尿貯留(urinary retention)の悪化( worsening )です。Anoro Elliptaを投与した患者にみられる最も一般的な副作用は、咽頭炎(pharyngitis)、副鼻腔炎(sinusitis)、下気道感染症(lower respiratory tract infection)、便秘、下痢、四肢の痛み( pain in extremity)、筋攣縮(muscle spasms)、首や胸の痛みです。

Anoro Ellipta はノースカロライナ州のリサーチ・トライアングル・パーク(Research Triangle Park)でグラクソ・スミスクラインが製造します。