dapagliflozin:2型糖尿病治療に用いるナトリウム・グルコース輸送体2阻害薬


AstraZenecaとBristol-Myers Squibb Companyは本日、FDAの胃腸薬諮問委員会(Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee)がdapagliflozin使用のベネフィットが特定済みのリスクを上回ると判断し、2型糖尿病の成人における血糖コントロール(glycaemic control)を改善させるための食事や運動に対する補助薬としてdapagliflozinの販売を支持したと発表しました。さらに諮問委員会は、dapagliflozinが許容範囲内の心血管リスク特性を有することが、データにより十分に示されていると判断しました。

FDAは諮問委員会の推奨に従う義務はありませんが、治験薬の認可を審査する際にそれを考慮に入れます。処方箋薬ユーザー手数料法(Prescription Drug User Fee Act:PDUFA)におけるdapagliflozinの審査期限は2014年1月11日です。

dapagliflozinは単剤療法と、他の抗糖尿病薬(antidiabetic agent)との併用療法での使用を対象にFDAの審査を受けています。これらの治療法では、2型糖尿病の成人患者の血糖コントロールを改善させるための食事や運動をサポートする形でdapagliflozinを使用します。同薬はインスリンと無関係に機能するナトリウム・グルコース輸送体2( sodium-glucose cotransporter 2;SGLT2)の選択的および可逆的阻害薬(selective and reversible inhibitor)であり、体内から過剰なグルコースを取り除く作用を促進させます。DapagliflozinはEUやオーストラリアを含む38か国でFORXIGA<img src="/images_e/e/F06A.gif" alt="トレードマーク(TM)" width="15" height="15" border="0" />という商品名(trade name)で販売されています。

まだ承認されたわけではありませんが、諮問委員会のゴーサインが出たので米国での発売もほぼ確実にオッケーでしょう。

SGLT2阻害について

腎臓は正常なグルコース・バランスを維持する上で重要な役割を果たしています。腎臓に存在するナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)は、腎臓内のグルコース再吸収に必要不可欠なものです。2型糖尿病患者では腎臓のグルコース再吸収能が約20-30%上昇しているため、同疾患関連の高血糖がさらに悪化します。SGLT2の選択的阻害は、グルコースの再吸収を抑制し、尿による排出を促進させます。