国際化に必要な教育とは


宮崎県では学校における国際理解教育・外国語などの推進のために3つの柱をあげています。まず、国際理解教育の推進ですが、具体的には国際交流員、外国語指導助手や地域の在住外国人を活用して、外国の文化などに関する正しい理解を深める教育を目指しています。

また2番目の柱として実践的な外国語教育の推進をあげています。具体的には、外国語指導助手などの協力により小学校における英語活動と中・高等学校における英語教育の充実を図り、特に実践的コミュニケーション能力の育成を図ることを目的としています。また実用英語検定試験の受験を推進したり、高等学校における英語以外の外国語の授業を行うことをあげています。

3番目の柱として教員の国際化への対応をあげています。具体的には、国際理解教育や外国語教育の指導に携わる教員の研修を推進することを目的としています。

実践的な外国語教育の推進において宮崎県が推奨している実用英語検定試験の現状はどうなっているのでしょうか。また、多様な国際交流と地域特性を生かした国際協力の推進と、国際化を推進するのに重要と考えられる多文化共生づくりはどのようなものなのでしょうか。

1級から5級までの総受験者数を見てみると九州8県のうち宮崎は3万5千人が受験しており第4番目となっています。また都道府県の人口との比較と合格率の割合を示したものがあります。

これらの資料からわかることは、まず人口当たりの受験率でいうと宮崎は九州で沖縄県に次いで2番目であるということです。英検受験を通して成し遂げようとしている英語習得にかける情熱は九州のなかでも高いといえるでしょう。それに反して合格率は、全国平均が53%であるのに対し、宮崎県は51%という結果です。九州のなかでは合格率がワースト3の中に入っています。

宮崎県が外国語教育の充実を重点課題として掲げる以上、宮崎県民の英語力の底上げは欠かせません。宮崎県内の公立高校において英語を冠とした学科や文化系の科目を強化の中心とした学科の開設が進んでいます。こういった流れも宮崎県の国際化を考える際に今後重要な要因の一つとなっていく可能性があるので、県下の高校への志願者数などを見守っていく必要があるでしょう。

推進プランでは多文化共生社会づくりの推進のために9つの事業が計画されています。その中でも重要であると考えられるのは、「外国人が安心して生活できる環境づくり強化事業」「広域災害・救急医療情報システム運営事業」です。

「外国人が安心して生活できる環境づくり強化事業」とは日本語が不自由な在住外国人に対して情報提供の方法を見直すとともに日本人と同様に情報やサービスを享受できるようにし、いわゆる「言葉の文化のバリヤフリー化」を目指すものです。

また「広域災害・救急医療情報システム運営事業」においては救急医療体制の強化を図りウエブサイトにおいて外国語対応可能な医療機関を英語により情報提供することを目的としています。

しかし、ウエブサイトでの情報提供が十分に行われているとは言い難い面があるのではないかと考えられます。