原癌遺伝子「Cbl」


Cblは120kDの細胞内タンパクを産生する原癌遺伝子であり、N末端側にSH2様ドメイン、中央にRINGフィンガードメイン、C末端側にSH2様ドメイン、中央にRINGフィンガードメイン、C末端側にプロリンに富むドメインロイシンジッパーをもつ、線虫の遺伝学やノックアウトマウスの解析によって、Cblはレセプターチロシンキナーゼからのシグナルを負に調節する働きがあることがわかっています。特にc-CblノックアウトマウスではT細胞の活性化が認められます。最近Cblはリン酸化されたレセプターをSH2ドメインを介して分解の標的として認識し、RINGフィンガーを介しユビキチン系をリクルートするE3ユビキチンリガーゼとして働くことが発見されました。サイトカインレセプターもCblと直接ないし間接的に統合することが知られており、同様の機構が与えられます。