PBM(薬剤給付管理組織)とPHO(病院・開業医グループ統合組織)について

PBM(薬剤給付管理組織)

PBMは患者(被保険者)、薬剤費の支払機関(マネジドケア企業、保険会社、政府など)、薬局、医師の間に介在して、薬剤費の請求・支払いに関わる業務の処理代行や薬剤の推奨リストを支払機関に提供するなどのサービスを専業として行っています。製薬会社、保険会社、医療プログラムの提供企業など多様な企業過去のビジネスに参入しており、総人口の約半分がPBMのサービスを利用しています。医薬分業が確立している米国では、薬剤については薬局が各患者の所属する医療保険ごとに代金請求を行い、支払期間はこれを精査して支払いますが、この業務に多大の事務負担がかかるので、これを一括して処理するのがPBMの一形態です。

もう一つは、慢性患者を対象に支払機関との契約に基づいて医薬品を定期的に患者に配送するメールオーダー薬局の役割です。この機能を活用して、PBMがブランド品に変えて同じ効能のジェネリック役を調剤することや一部の州では認められている同一薬効群の中からより安価な別成分の医薬品を代替調剤することによって、薬剤費支払の低減が可能となりました。PBMはこの業務を通じて蓄積した膨大な調剤薬配合履歴データをもとに薬剤の適切な使用により効率よく治療を行う包括的な疾病管理サービスを目指しています。

PHO(病院・開業医グループ統合組織)

医療サービス提供の効率性を一段と高める目的で、一つまたはいくつかの病院が中心となって開業医グループなどを傘下に入れて形成するジョイントベンチャーの団体組織がPHOと呼ばれます。この病院と開業医グループとを垂直統合した団体が、保険会社やHMOなどのマネジドケア組織と医療サービスの提供を一括して契約するケースが出現し、50人以上の開業医グループの1割がPHOに組み込まれています。このような垂直統合は経営不振の病院が、その打開策として打ち出すケースが多いものの、病院と開業医の利害相反もあり、必ずしも患者の利便性を高め、医療システム全体の効率性を高める結果とはなっていません。