手軽な玄米食:リブレフラワー


 少しでも自然食とか健康食について勉強すれば、かならずといっていいほど登場するのが玄米です。食事療法といえば、玄米菜食が基本のような形で出てきています。

 玄米がなぜいいかというと、ミネラル、ビタミン類の宝庫だからです。ところが、現代ではもっとも多くミネラル、ビタミン類を含んでいる胚芽と表皮の部分を米糠として捨ててしまって、残った白い部分だけを食べているのです。

 玄米食を実践している人はかなりの数にのぼるだろうと思います。しかし、一方でぱ玄米を食べてみたいのだが、なかなか踏み切れないという人もかなりの数いるはずです。

 シガリオ・ジャパンの豊蔵康博社長は、玄米がいかに食物として優秀かを認めながら、なぜ玄米が普及しなかったかを、《四難》という言葉で、次のように説明しています。

 「玄米が白米より栄養においてはるかにすぐれ、食養効果においてもすぐれた能力を持っているにもかかわらず、なぜ広く普及していかないのか。それは、白米にくらべてまずいこと、食べにくいこと、消化しにくいこと、調理しにくいことの四つの難があるからです」といいます。

 玄米食をおこなっている人にいわせれば、この豊蔵説にぱ異論もあるでしょう。しかし、一般の人の多くが玄米に接したときに感じるのは、豊蔵社長の持つ感想とおなじものだと思われます。玄米は、自然食愛好家の食べ物、あるいは治療のための食べ物という見方が多いことは事実でしょう。

 そこで、豊蔵社長は、玄米をもっと食、べやすく、調理しやすくできないかと考えました。その結果、玄米を粒で食べるのではなくて、粉にして食べればどうだろうかという考えにいだったのです。

 粉にしてしまえば、小麦粉のようにパンやめん類の材料にもなるわけです。玄米は粉にすることによって、確実に《四難》を持った食べ物ではなくなるのです。

 しかし、簡単に玄米を栄養素も壊さず、酸化もさせずに粉にできるものなら、とっくの昔に商品として売られたり、玄米粉でつくったパンやめん類が出ていてもいいはずです。それらが普及していないということは、つまり玄米はそう簡単には粉にできないということなのです。

 豊蔵社長は、玄米を粉にするについて、ある大学教授に相談したといいます。そのときにいわれたのが、次のようなことでした。

 「確かに米を粉にすることは、ただっぶせばいいのだから簡単です。しかし、米の粉は小麦粉とはでんぷんの構造が違っているため、パンやめん類の材料にはならないのです。

 また、玄米を粉にしようとすれば、強烈な摩擦熱がビタミン群を破壊します。もっと問題なのぱ糠油がすぐに酸化するために保存がきかないことです」

 つまり、玄米を粉にしてパンやめん類をつくるなどということは、不可能に近いことだというのです。

 ところが、豊蔵社長はそれくらいでぱめげませんでした。かならずできるという信念のもと、とうとう玄米を粉にする技術を開発してしまったのです。

 簡単にいうなら、玄米を蒸し、乾燥させ匸一五〇度という高熱で焙煎し、冷却してから小麦粉よりも細かい二十五ミクロンという微粉体にしています。この技法によって、栄養素が壊れず、酸化しない玄米の粉、リブレフラワーができあがったのです。

 リブレフラワーの特徴は、まず消化吸収がいいことです。

 「リブレフラワ上二〇gを毎朝、牛乳かスープ、あるいはお湯か水で溶いて飲むだけで、玄米一〇〇gを完全に消化吸収するまで咀嚼して食べるのとおなじ価値があります」(豊蔵社長)

 次に、農薬汚染の心配がいらないことです。無農薬の玄米でなくとも、リブレフラワーをつくる過程で農薬がなくなってしまうことがわかっています。なぜなのかはわかりませんが、食品分析センターの分析結果からはまったく検出されないそうです。酸化しないので、一年は保存できるといいます。

 また、そのまま食べられ、カロリーコントロールがしやすいことなどが、特徴としてはあげられます。

 リブレフラワーにはブラウンタイプとホワイトタイプの二種類があります。ブラウンは、どちらかというとスープやジュースとして飲めるタイプです。ホワイトは料理として使います。

 たとえば、ブラウンタイプなら、水や湯に溶いて飲んだり、味噌汁のなかに入れたりするのがいいようです。ホワイトなら、お好み焼や葛もち、パンをつくるのに使うといったような使い道があります。

 リブレフラワーは、医療機関でも使われており、鶴見医院の鶴見先生は、ガンの患者さんにリブレフラワーを積極的に勧めているそうです。

 費用=リブレフラワーは、ブラウンタイプ、ホワイトタイプともに千百円(一袋五〇〇g)。ブラックジンガー、千五百円(一袋六〇g)。