リウマチ熱の皮膚症状：播種性好酸球性膠原病
リウマチ熱rheumatic fever の皮膚症状
①輪状紅斑erythema marginatum : 小紅斑・小丘疹→急速に遠心性拡大、一過性かつ再発性、組織はleukocytoclastic vasculitis、 ②リウマチ結節rheumatic nodule : 骨突出部・関節部の骨表面・腱鞘等に多発する小結節で皮下に硬く触れる。③丘疹状紅斑erythema papu･losum : 四肢伸側に3～４ｍｍの暗紅色丘疹が生じ、１週ほどで消退。
リウマチ様関節炎rheumatoid arthri出の皮膚症状
①リウマチ結節rheumatoid nodule : 関節部に好発する硬い皮下結節で下床と癒着。比較的長く続き、ときに海洋化。中央に膤原線維の変性、これを組織球が柵状にかこむ(palisading granuloma)。
播種性好酸球性膠原病disseminated eosinophilic collagen disease
末梢好酸球増多症を伴う多臓器好酸球浸潤〔肝・脾・肺一心・腎一筋・消化器・リンパ節〕で、皮膚には紅斑・浮腫・アトピー性皮膚炎様皮疹・痒疹等を生じ、ＲＡ・ＣＲＰ陽性、ｌｇＥ上昇、一一部抗核抗体陽性を示す。
Hypereosinophiliｃ syndrome〔ＨＥＳ〕〔Ｈａrdy 1966〕:①末梢血好酸球増多症〔1、 500/m・が６ヵ月以上続く〕、②奸酸球増多症を来す明らかな原因が除外される。③好酸球による臓器障害がある。すなわち末梢神経障害、心障害〔内膜肥厚・血栓〕、呼吸器症状〔喘息様発作〕、皮疹[ 痒性紅色丘疹・結節、じんま疹様。血管浮腫、水疱］を来す。 Loefner症候群・Loeffler心内膜炎・播種状好酸球性膠原病など近類疾患。予後は種々〔死因は主に心病変〕［死亡率30％］、ステロイド剤。
episodic angioedema 〔Gleich 1984〕:体重増加を伴う血管浮腫・発熱・じんま疹と共に白血球増多・好酸球増多を来すが、肺心等の内臓侵襲なく、予後良好。 recurrent fa-cial edema は軽症型。
eosinophilic cellulitis 〔Wells 1971〕
〔同義語〕recurrent granulomatous dermatitis with eosm叩h小ａ
〔症状〕①急性期：蜂窩織炎を思わす療痒性急性浮腫性紅斑。真皮・皮下組織に強い浮腫・好酸球浸潤、②亜急性期：紅色調を減じ鉛色となり数週続く。 flame figure*が特徴的。③退縮期：萎縮性。好酸球が減り、組織球・異物巨細胞か主体。数年反復し自然治癒。末梢血・骨髄好酸球増多あり。
〔病因〕 何らかの抗原に対する過敏反応？〔マダニ・クモ・白癬・虫・薬剤〕・手術・悪性腫瘍〔悪性リンパ腫・白血病・赤血球増多症・癌〕。
〔治療〕 ①原因除去、②ステロイド、③DDS。
* flame figure :膠原線維を好酸性・好塩基性顆粒がとり囲み、火焔状にみえる像で、この顆粒は好酸球由来のMBP (major basic protein)でこれにより組織障害が起こっている。のち組織球・巨細胞で肉芽腫状となる。本症のほか類天疱瘡・妊娠性疱疹・痒疹・虫剌症でもみられる。
自己免疫:Witebskyによれば、次の条件を満たすものである。
①1。 5g/dl以上の血清アークロブリン値、②病変臓器に対する自己抗体の検出、③変性７－グロブリンまたは誘導体の腎糸球体における沈着、④病変組織におけるリンパ球・形質細胞の著明な浸潤、⑤ステロイド剤による寛解、⑥別の自己免疫機序を思わせる病変の共存⑦実験的に自己免疫ないし同種免疫の手続きにより、臨床例と類似した病変を作りうること。
抗核抗体(ANF/AFA)は開接蛍光抗体法でみると、次の４型がある。①びまん型(homogenous type)、②斑紋型(speckled type)、③膜型/粗毛型(membranous/shaggytype)、④核小体型(nucleolus type)。①③はSLE、②はMCTD、④はＰＳＳに多い。膠原病で認められる抗核抗体には、下記のようなものがあり、１、４はＳＬＥに特異的、５が単独で高値ならばＭＣＴＤが示唆される。６はSjS、 SLEのほか新生児LE、 CSLEに、７はSjSに、８はＰＳＳに、11は多発性筋炎に、12はCRESTに、特異性がきわめて高い。
1。抗ＤＮＡ抗体 8。抗Scl-70 (Og)抗体
2。抗ヒストン抗体 9。抗Ｋｕ抗体
3。抗ＤＮＰ抗体 10。抗K1抗体
4。抗Ｓｍ抗体 11。抗Jo-1。抗体
5。抗nRNP抗体 12。抗セントロメア抗体
6。抗SS-A (Ro)抗体 13。抗Ｍａ抗体
7。抗SS-B (La、 Ha)抗体 14。抗ＰＣＮＡ抗体
