シェーグレン症候群の各症状

シェーグレン症候群　Sjogren syndrome ［1933］〔SjS〕

〔症状〕　30～50歳の女子に多い［90％］。

　１）皮膚症状：①皮膚乾燥〔痰痒を伴い、魚鱗癬様ともなる〕、②毛細血管拡張、③脱毛、④色素沈着/脱失、⑤紫斑〔高カンマグロブリン血性紫斑で下肢に再発哇点状。 leukocytoclastic vasculitis 像〕、⑥慢性じんま疹、⑦環状紅斑〔多発性、 leukocytoclastic vasculitis 像〕。

　2）眼症状：眼球乾燥〔乾燥感・異物感。 Schirmer試験・Rose-Bengal試験・蛍光色素試験〕。

　３）口腔症状：口腔内乾燥感〔唾液減少し、食事・会話に困難、舌は発赤・平滑化・乾燥一両側耳下腺腫脹・唾液腺造影(sialograram)でapple tree 像・唾液腺シッチ・ガム試験・小唾液腺生検（腺周囲リンパ球浸潤）、口唇炎、口角びらん症。

　４）その他：レイノー現象、関節痛、リンパ節腫脹、肝脾腫、ニューロパチー、乾燥性鼻・咽頭・喉頭炎、肺病変〔気管・気管支の気管支腺炎、 LIP (LIPの20％はSJS経過中に見出される）、偽性リンパ腫、ときにリンパ腫〕。

　　〔検査所見〕　抗SS-A、抗SS-Ｂ抗体陽性、 RNP抗体陽性・ＲＡ陽性・高カンマグロブリン血症。

　　［合併症］　とくにSLE、 RAとの合併が多く、その他PSS、 PN、多発性筋炎、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、汀Ｐ、橋木病、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、悪性リンパ腫などあり、常に精査を要する。

　　〔組織所見〕　エクリン汗腺周囲にリンパ球浸潤。

　　〔治療〕　①角膜保護〔人工涙液〕、②含啾〔人工唾液〕、メチルセルロース塗布、③NSAID剤、他自己免疫性疾患合併のときステロイド剤。

　　眼球・口腔一皮膚の乾燥のみのときを乾燥症候群(sicca syndrom司といい、 SjSの初発ないし不全型と考え、充分に検査、フォローする。逆に乾燥症状に乏しく、血清反応のみ陽性〔あるいは環状紅斑併発〕のものをsubclinical SjS という。