妊娠性疱疹herpes gestationis

 〔症状〕DHとほば同じく、痰痒の強い、小水疱を辺縁に有する多型滲出性紅斑様紅斑、小水疱、漿液性丘疹が妊娠中期に生じ、分娩後急速に消退[ときに一時再燃]する。好酸球増多・蛋白尿・血尿あり。丘疹の要素が強いときは妊娠性痒疹と区別し難い。

 〔本態〕類天疱瘡と免疫学的類似があるが、基底膜部にlgGは30%程度にみられ、一方C3は100%にみられ、抗基底膜抗体〔lgG抗体〕による自己免疫で、血清中に補体を基底膜に結合させる能力のある因子〔HG因子〕が存在している。妊娠中のホルモン変調、抗胎盤、胎児因子、Rh不適合性なども考えられている。全妊娠の0。05%にみられ、高年妊婦に多く、また妊娠ごとに反復し、重症化することが多い。

 〔鑑別診断〕①妊娠性痒疹〔水疱形成なし〕、②疱疹状膿疱疹〔膿疱主体、全身症状大〕、③多型滲出性紅斑、④DH〔HG因子なし、lgA沈着〕。

 〔治療〕DHに準ずるが、分娩までの關止痒を主体とする対症的なものであってよい。胞状奇胎・絨毛上皮腫に合併することもあるので注意。

8。 bullous dermatosis of hemodialysis
 長期透析を受けている患者の日光露出部に生ずる〔表皮下〕水疱で、晩発注皮膚ポルフィリン症に似、あるいはfurosemide誘発注ともいわれる。