凍瘡 pernio、 chilblain、 Frostbeule

 〔症状〕寒冷に曝露し、循環障害の起こりやすい末梢部[指趾尖・耳朶・鼻尖]、ときに頬・膝蓋・前腕などに、腫脹・うっ血・水疱・びらん・潰瘍を生じ、痰痒を伴い、これは入浴・褥温などで増強する。全体が紫藍色うっ血性に腫脹する樽柿型〔T型〕と、多型滲出性紅斑の小紅斑・小丘疹より成る型〔M型〕とに分ける。いわゆる

 「しもやけ」。

 初冬・終冬に多く、気温4~5℃で日差10℃以上の時期に頻発、学童期に多く、男子は20歳ごろまでに生じなくなるが、女子では30歳代にまで及ぶ。

 〔病因〕個体の素因〔遺伝・副交感神経緊張症・多汗症・無力性体質〕のほか、環境因子〔寒冷・湿潤〕がこれに加わり、局所的血行障害〔動静脈吻合機能不全・毛細血管拡張・うっ血・滲出・浮腫〕を来す。

 〔治療〕

①予防:保温、湿気を避ける、マッサージ。②凍瘡軟膏外用〔女性ホルモン・カンフル・ビタミンE含有〕。③ビタミンE・循環ホルモン内服。