非ホジキンリンパ腫

 

non-Hodgkin's lymphoma 〔NHL〕

 炎症性細胞かほとんどなくリンパ腫細胞のみから成り〔monomorphous lymphoma〕,従来の細網肉腫・リンパ肉腫などはこのカテゴリーに入る.いずれもB細胞の悪性化で循環lgの減少があり,一方細胞性免疫は比較的保たれている.

 濾胞型follicular[結節型nodular]とびまん性型diffuseに分つが前者の方が分化していて後者より予後はよい.しかしこの分類はリンパ節・脾のようにリンパ濾胞構造を有する臓器において分別し得,皮膚に浸潤したときははっきりしない.

 皮膚にみられるNHLの分類〔Rappaport〕.

 1)分化リンパ球型well differentiated lymphocytic lymphoma

 2)未分化リンパ球型poorly differentiated lymphocytic lymphoma

 3)リンパ球・組織球混合型mixed lymphocytic-histiocytic lymphoma

 4)組織球型histiocytic lymphoma  5)未分化バーキット型undifferentiated Burkitt's lymphoma

 ホジキン病に比して,①多発しやすく,②リンパ節以外に初発する率が高く,③血行肚播種は頻度がより高くかつ速く,④白血病化〔腫瘍細胞の骨髄侵襲,末梢血中への出現〕しやすく,⑤皮膚原発の率が高く,皮疹を生じやすい〔17%〕.

 〔症状〕結節と浸潤局面を主体とする.結節は弾性硬で次第に増大,半球状~塊状に隆起し,赤褐色調を呈し,表面しばしば自潰して潰瘍となる.単発または自所性(autochthon)に多発,さらに転移する.液性免疫の低下.

 非特異疹として,紫斑・紅皮症・皮膚繙痒症など.

 〔組織所見〕結節型が皮膚に存在するかどうかは疑問[濾胞がみえてもリンパ球組織球混合型の可能性あり]であり,また皮膚のリンパ腫の診断はかなりむつかしい.①浸潤巣は大小あり,真皮から多くは皮下組織にも及ぶ.②異型の核や異型のミトーゼがみられる.③炎症性浸潤に比して細胞は密に接し,核が近接して融合したかのように見える.④浸潤巣は比較的境界明瞭であるが,周囲の膠原線維間に,1~2列に列をなして並ぶような所見〔1列縦隊like Indians in a fik〕もみられる.