「メシマコブ」の製剤は、韓国の臨床で転移ガンを消した

 日本ではじまったメシマコブの研究は、韓国で実を結んだ。

 

 取材日程では、松永先生のお話をうかがったあと、現実に「メシマコブ」をガンの治療に使っておられる先生方への取材を予定していた。

 

 「この『メシマコブ』はすばらしい抗ガン効果を示しています。韓国でも日本でも、その高い抗ガン効果がぞくぞくと報告されています。その抗ガン効果のすばらしさは先生方から聞かれるでしょうから、私は、韓国での臨床例を紹介しましょう」

 

 こう前置きして、松永先生は私仁あるレポートを見せてくれた。

 

 私に渡されたレポートの報告者は、忠南国立大学校医科大学消化器内科の鄭賢溶(チョン・ヒュンヨ)教授となっていた。内容は、胃ガン手術後の抗ガン剤と「メシマコブ」の併用投与による2例の研究結果だった。

 

 最初の報告は、ステージ3の後期胃ガンだった堅成の男性のケースだ。

 

 この男性は、エトポシド、ロイコボリン、51FUという抗ガン剤が含まれるELFを3サイクルおこなった後の調査で肝臓への転移が発見されている。そこで、抗ガン剤のシスプラチンと5‐FUを使った治療がおこなわれたが、まだ肝臓への転移は消えなかった。そのあと、「メシマコブ」を1日3gと抗ガン剤のフルトロンを1日600mg経口投与したと ころ、7ヵ月後に肝臓への転移は消えていた。

 

 鄭先生の2番目の報告は、胃ガンからの肝臓転移でステージ4だった55歳の男性のケースである。

 

 胃ガン診断当時のCT写真では、ガンは胃を全体的におかしていて、すい臓まで広がっていた。左右の肝臓にも大きな転移が見られていた。

 

 内視鏡などの検査のあと、エトポシド、アドレアマイシン、シスプラチンを含む抗ガン剤EAPの治療を6回にわたっておこなったあと、さらにエトポシド、アドレアマイシン、シスプラチンを含む抗ガン剤EAT2の治療をおこなっている。この治療で肝臓の病変はある程度小さくなったものの一部残っており、ガンに侵されている範囲は変わらなかった。

 

 7ヵ月後から、「メシマコブ」とフルトロンの治療をはじめている。そして、この治療をはじめて一年で肝臓が正常になり、転移した肝臓ガンは完全に消えた。また、胃ガンは変化が見られず、安全な状態を保っている。

 

 鄭先生の臨床例を紹介したあと、松永先生はこう言葉をつづけた。

 

 「この例を見て、それは抗ガン剤の効果じやないか、と思われる方がいるかもしれよせんが、『メシマコブ』を摂り出してから症状が改善されています。

 

 じつは、『メシマコブ』には抗ガン剤の効果を高める効果と、副作用を抑える効果も確認されています。だから、『メシマコブ』が抗ガン剤の効果をより強め、それがガンの改善につながったと考えられるんです」

 

 ガン治療に国境はない。韓国ではすでに医薬品として販売され、多くの病院でガン治療に活用されている。しかし、日本では医薬品としての販売は許可されていないため、日本ではいわゆる健康食品としての扱いを受けているのが現状である。日本で「メシマコブ」が同じように扱われ、より多くのガン患者さんに明るい光を与える日はいつくるのだろうか。

 

ガン臨床医はなぜ「メシマコブを」使うのか  北用栄志[著] 定価 本体1000円(税別)