レイノー症候群Raynaud syndrome、レイノー現象Raynaud's phenomenon

　〔症状〕指趾の動脈・小動脈の発作性李縮。指趾は蒼白→紫藍→潮紅と変化し{triphasic reaction)、これが長期間反復し、点状壊死次いで壊疽を生ずる。疼痛が甚しい。10分前後の発作で、温めると正常に戻る。閉経期女子に多いが、次の基礎疾患の一症状としてみられる。

　1）反復運動〔職業性〕：電気鋸(chain saw)、圧搾空気による鋲打ちや地固めによる振動、ピアニスト、タイピスト、キーパンチャー。
　2）レイノー病。
　3）動脈閉塞：動脈栓塞・特発性壊疽・閉塞性動脈硬化症。
　4）中毒：エルゴタミン・二コチン・重金属・ブレオマイシン。
　5）神経疾患・脊髄空洞症・脊髄炎・頚肋などによる神経圧迫。

　６）膠原病：ＰＳＳ〔初期症状として重要。／〕・CRST症候群・ＭＣＴＤ・シェーグレン症候群・ＳＬＥ・皮膚筋炎一関節リウマチ。

　７）その他：白血病一発作性ヘモグロビン尿症・多血症・マラリア・dysglobu-linemia〔cyoglobulinemia ・ macroglobulinemia ・ hyperviscosity 症候群〕・心疾患・粘液水腫。

　〔治療〕①原病治療、②血管拡張剤〔交感神経α遮断剤・ノルアドレナリン抑制剤・カルシウム拮抗剤・プロスタグランディン〕、③交感神経節ブロック、④血漿交換療法。

　8。レイノー病morbus Raynaudii

　寒冷・精神的ストレスが誘因となり、上記レイノー現象が生ずる。基礎疾患はなく、女性に多い。