アロポー稽留性肢端皮膚炎、壊疽性膿皮症の症状、病因など

アロポー稽留性肢端皮膚炎acrodermatitis continua (suppurativa)〔Hallopeau1897〕

 〔症状〕指趾末端に、外傷に引きつづきあるいは誘因なく、爪周囲炎様の発赤・腫脹・小膿疱形成あり、やがてびらん・結痂する。これが反復しているうちに皮膚は萎縮し、爪変形・脱落、指趾末端変形〔ときに末節断指趾〕を生じ、一方病変は中枢に向かい手掌足底・手足背にも及ぶ。まれに急性に全身皮膚[および粘膜]に小膿疱が汎発して発熱・悪寒をきたし、全身障害の著しいこともある。

 〔組織所見〕好中球を含む表皮上層のKogoj海綿状膿疱、不全角化、乾癬に似た表皮索の延長。

 〔原因〕不明、膿疱性乾癬〔Zumbusch型〕・疱疹状膿痂疹との異同が論じられている。 HLA-B27と関連し、この点ライター病と共通する。

 〔治療〕掌蹠膿癇症に準ずる。

小児肢端膿疱症infantile acropustulosis 〔Jarratt 1979、 Kahn 1979〕: 2歳以下の小児の掌蹠・手背・足背等に反復する膿疱で痰痒が強い。夏期増悪。 DDS有効〔イ寸図15-8〕。

 


壊疽性膿皮症pyoderma gangraenosum[Brunsting 1930]

 〔症状〕①膿疱・小水疱・痙瘡様丘疹・小結節が単発ないし多発し、数日で潰瘍化、遠心状に拡大、融合して大きな噴火孔状潰瘍となる。辺縁は強く潮紅して堤防状に隆起し潜蝕性、潰瘍底は膿苔・壊死塊で被われ易出血性、圧痛・自発痛あり。次いで肉芽腫状となり、表面が編物様凹凸を示す瘢痕(gestrickte Narbe)として治癒する。四肢に好発し〔その他頭部・体幹〕、反復する。

 ②血沈促進・好中球増多・細胞性免疫低下・針反応陽性。

 ③全身症状:発熱・関節痛等あるも軽いことが多い。

 〔合併症〕①大動脈症候群〔わが国で多い〕、②潰瘍性大腸炎[欧米に多い]、③RA、④その他〔クローン病白血病・多血症・lgA異常蛋白血症〕。

 〔病因〕自己免疫説、細菌アレルギーなど。外傷〔静脈穿刺・手術・蜘蛛刺螫Lに

 胸肋鎖骨間骨化症 ①疼痛性腫脹・発赤・圧痛、②運動痛による運動制限〔怒り肩、首をすくめられない〕、③X線所見[骨化像]、④骨シンチ〔集積像〕、⑤組織は非特異性慢性炎症像。初期考えられた病巣感染ではなく、掌蹠膿疱症の1症状と思われる。引続いて発することも多い。

 [組織所見]好中球浸潤・小膿蕩、血管壁の壊死・変性をみることあり。

 〔症状〕ステロイド剤、 DDS、免疫抑制剤